作詞作曲/としゃーん 編曲/WoodstocK



路地裏夢一夜 (ろじうら ゆめ いちや)



闇夜は切り取られていて四角
一番星が覗き込む路地裏の奇術師
シルクハット軽く上げて御辞儀
「只今より夢のような一時(ひととき)を貴女に」


自鳴琴(オルゴォル)の音色
零れ落ちては響く 左掌から



ハンカチ   迷い込むよ
白い薔薇   御伽の国
ひらりひらり
花弁
二羽 三羽   羽撃き高く
飛び立つ鳩   其処へ さぁ
逝けよ   ‘あぁ、こんなにも遠い’
貴方の待つ空



約束したからね
「誰より先にお客様にしてあげる」
路地裏の夢公演
奇術師は空見上げて深く笑み
応えるかのように星は仄白く瞬く



自鳴琴の音色
欠けた月に翳す 両手の中は空



鳥籠   虜囚はどなた?
合わない鍵   閉ざされて
ひらりひらり
トランプ
スペードは   緩慢な死を
鍵穴に   迎えた
開く   ‘貴女への夜が明けない’
指輪抱く檻
  And that's it.


崩す   跡形も無く
夢囲い   同じように
ひらりひらり
舞う羽根
唯だ一羽   壊してしまえる?
想い戴く   この世界
届けよ 届けよ



路地裏一夜(ひとよ)の夢
見惚れる家出少女
「誰の為涙零すの?」
問われて気付く
……キだった